イメージ 1第206話

役者さんにとって東京以外の劇場は、地方の劇場です。東京から離れて地方都市での一ヶ月のホテル暮らしは誰も好みません。

そんな事から製作会社は、地方出演者への歩増し(ギャラ増額)、劇場はアゴ足(宿泊費・旅費など)を支払い役者さんを迎えています。

もちろん需要と供給の力加減はあり、ランク分けもされる厳しさも有りますが、地方劇場が劇団を迎え芝居を上演するには大きな経費を負担することになっています。

大スターを地方劇場へ呼ぼうとすれば、金銭だけの問題では無くなります。

その劇場が、どれだけ熱望しているのか、芝居に対して情熱があるのか、販売体制が確立されているのか・・・・・見極めて決断される。

御園座では、公演の看板俳優が名古屋へ乗り込まれる時に、社長・役員が名古屋駅新幹線ホームまで迎えに上がります。もちろん千秋楽の帰京もホームまで見送りに・・・・・

劇団の幹部に名を連ねれば、公演の中日あたりで劇場側から社長招待の食事会に招かれます。

劇場側は社長・役員・制作部プロデューサーが、幹部役者を接待していました。

御園座の手厚い持て成しは劇界でも評判となり、次々と大物スターの公演が実現できたと思えます。

写真は、幹部招待の会食で役者と語らう私。 良き時代でした。