イメージ 1第460話

御園座が今年の4月から来年3月までの公演に「御園座さよなら公演」とタイトルを付け、来春に現劇場再建50年の歴史に幕を降ろします。

「さよなら公演」には 六月の大歌舞伎、十月中村勘九郎襲名の吉例顔見世、そして市川猿之助・市川中車襲名の三月大歌舞伎と3回もの歌舞伎公演が並び話題となっています。

また今年の2月には花形歌舞伎と銘打ち尾上松緑・尾上菊之助等の公演があり、歌舞伎ファンを喜ばせている。

しかし、今月の六月大歌舞伎は、東京・新橋演舞場の猿之助・中車襲名や、九州・博多座の又五郎・歌昇襲名に歌舞伎俳優が分散し、御園座はやや手薄の座組みとなっているのが心配でした。

6日に昼の部、今日10日に夜の部を観劇してきましたが、昼夜に亘って市川海老藏さんが大奮闘、昼の「夏祭浪花鑑」では主役の団七九郎兵衛の他 徳兵衛女房お辰をも演じ、女形においても一段の芸域を高めている姿を見せてくれました。

夜の「石川五右衛門」は新作歌舞伎ですが、荒唐無稽の話に市川家の「荒事の芸風」を上手く取り入れ、海老蔵さん大奮闘の内容です。

心配された座組みの薄さも忘れさせる熱演でした。 

役者ぶりの良さ、口跡の良さ・・・・歌舞伎役者として計り知れない潜在能力を持たれている。