第13話

里見浩太朗さんは、昭和41年「東映歌舞伎」に市川右太衛門さん、大川橋蔵さんと共に御園座の舞台に上がり、その後 昭和46年に美空ひばり公演の相手役として林与一さんと共に出演した。

映画スターの舞台進出は、御園座に於いても中村錦之介さんが昭和47年に、翌年からは萬屋錦之介と改名し本格的に舞台公演が続けられていた。

次なるスターは誰か・・・

先々代長谷川栄一社長の眼にとまったのは、里見浩太朗さんの爽やかな舞台姿、錦之介公演には無い「ショー」を取り入れた華やかな公演が出来るのではないか? 

東西の劇場に先駆け、里見浩太朗さんに昭和52年8月の座長公演を申し入れた。
里見さんは、社長御子息の制作担当長谷川常務とは同年代でもあり、快く快諾され初座長公演が実現。

そして、昭和56年より三波春夫さんに替わって、御園座の正月公演の顔となりました。

東西の劇場も里見公演を実施、その「芝居」と「ショー」の構成は、東映時代劇を待ち望んでいた多くのお客様の心をしっかりと捉える事になりました。