第165話

御園座の7月公演は、北島三郎特別公演。今回もショーには漁船・ねぶた屋台など特殊な道具を登場させてお客様を楽しませています。

北島さんのショーに限らず大掛かりなショー道具は、秋山メカステージが業界の草分け的な存在。

私がプロデュースした杉良太郎特別公演も長くこの会社のお世話になりました。又、社長とも気が合い何でも相談できる間柄。

そこで、手直しが多いショー道具を名古屋で造れないか、そうすれば舞台稽古でも対応が早いと、御園座出入りの看板・装飾会社へ切り替えをさせて貰うことに・・・・・

もともと劇場の道具製作が遅れた時は、ショーセットのユニットは今までも装飾会社に発注はしていましたが・・・・・特殊道具になると、やはり秋山メカさんのような経験がある業者を選ぶことになっていました。

しかし、私は「何事も最初の仕事が無ければ、次は生まれない」御園座の業者に力を付けさせたいと向こう見ずに進めてしまいました。

杉良太郎公演のショーは、美術プランの竹内史朗先生とプロデューサーの私、そして構成・演出の杉さん本人との打合せから始まります。

あらかじめ竹内先生にアバウトな基本セットを書き込んでもらい、それを土台にディスカッション。

何時も行き詰るのは、ショー道具の目玉をどうするか。

この時も、何を出しても今一つ物足りなく・・・・・
意見が、まとまりませんでした。

私が「東宝ミュージカルのヘリコプターは話題になりましたよねぇ」と口を滑らしたのがとんでもない事になろうとは・・・・・

杉さん 「よしッ、飛行機を舞台に出そう」 「沖縄の米軍に行って、壊れた飛行機を安く買ってくれば良い・・・・・」

竹内先生も私も折角まとまりかけてるプラン、潰すのも勿体ないと二人とも阿吽の呼吸で 「それで ゆきましょう」 と言ってしまいました。

あーあー   どうなる。

つ づ く