第167話ショー構成・演出の杉良太郎さんに「舞台で造れる最大の飛行機を出します」と右図面の道具帳を見せて、何んとか説得。
いよいよ、飛行機製作へ・・・・
自衛隊機をモデルにするが、両翼の長さは飛行機が舞台奥から客席側へ前進してくる事を考えると廻り盆の直径8間(14.5m)が限度です。
胴体は、杉さんが立って機内を歩ける高さを確保。そして幕開きにバンド台を割って登場させ、又元へ戻さなければいけない。
果たして、御園座業者の手に負えるのか? 不安がよぎります。
竹内先生には、何度も名古屋へ足を運んで頂きご指導を・・・・・
私は、東京・築地本願寺にある振風道場にて「芝居」の稽古に立ち合い、名古屋へ入るのは月末になってしまいます。
御園座へ一座を迎え入れ、地下2階のホールにて顔寄せ、そして総ざらい稽古へと進みます。
芝居の稽古途中、竹内先生が来られ私に「飛行機、杉さんに見てもらいましょ」とささやかれた。
私も組み上げられた機体は、まだ見ていません。
早速、舞台で対面しましたが、流石にデカイ。
前から見れば立派なんですが、横から見ると主翼のすぐ後ろに尾翼が付いたオモシロイ飛行機に仕上がっています。
竹内先生も業者も不安一杯の顔付き。
プロデューサーここまでの苦労が解かっているだけに「ダメ」とは言えません。
「長さは、仕方無いですよね。杉さんに見て貰いましょう」と明るく言ってはみたものの・・・・・・
私も、本音は泣きたいぐらいでした。
つ づ く