http://www.geocities.jp/misonozaman/_gl_images_/CCF20080526_00000_2.jpg第225話

京都東山・清水寺貫主が揮毫(きごう)する漢字一文字で表す「今年の漢字」は 「変」 と決まりました。

確かに2008年は政治も経済も「変」でした。しかし予兆は何年も前から始まっており、長年に亘って歪められた方針に耐え切れずに噴出した結果と言えるのではないでしょうか・・・・・

世間ではリストラの嵐が吹き荒れています。「弱者切捨て」の先に得る業績回復には、冷たい人間関係しか残らないのでは・・・・・・

私が勤め始めた御園座は、昭和36年の火災焼失後に巨額な借入金によって二年後に複合ビルとして再建されたばかり。

当時の御園座の給与は決して高くはなかったが「会社も借金が有るから、無借金になれば・・・」と経営者も従業員も大きな希望に向かって一つになっていました。

そして先代の長谷川真弘社長は、それまで名古屋の劇場では出来なかった「劇場による自主制作を御園座は目指す」という目標も掲げられ、先頭にたって邁進された。

「御園座の芝居づくり」は私にとって人生を掛けた大きな仕事になり、波乱万丈のプロデューサー経験をさせて頂きました。

月日の経つのは早いもの社長が病に倒れ、その後会長に退かれたのが平成14年4月でした。

私もその年7月に老人ホームに赴任し、会長がリハビリを兼ねて月二回ホームへお越しになった時「芝居の話」をするのが楽しみになっておりました。

御園座の会議では見られなかった穏やかな笑顔の会長に、何十年もの「芝居の想い出ばなし」をさせて頂きましたが・・・・・

三年前の今日、長谷川会長は逝去されてしまった。良き想い出ばかり残っています・・・・・・

どんどん時代が変わっていきます。世間も御園座も・・・・・

「変革」は良かれと思って行なわれるが、後日に大きな見直しを迫られることもあり得ます・・・・・・NHK風に言えば「その時、歴史が動いた!平成14年」ですかねぇー

100年に一度と言われる大恐慌を御園座も何んとか乗り切って貰いたい。