第235話

商業演劇の興行会社は、歌舞伎・新派の松竹株式会社と女優芝居・ミュージカルの東宝株式会社が、まず上げられます。

そして昭和40年代からのスター芝居に対応して新歌舞伎座、明治座が劇場自主制作を始めます。

劇場が興行会社と同じ様に芝居・ショーを創って行く・・・・そこには新歌舞伎座・松尾國三氏、明治座・三田政吉氏という劇場社長が興行師として大きな力を発揮された。

松竹創業者の大谷竹次郎氏・白井松次郎氏、そして東宝創立者の小林一三氏も偉大な興行師でした。

劇場は客が入って儲かる物を選択する事から、客を・役者を・スタッフを育てる意識も求められます。

これは劇場という販売会社が、芝居づくりの製作会社の精神を取り入れる事になりますが、劇場に歴史が有れば有るほど難しい。

御園座も20年余もの年月を費やして、やっと御園座の「芝居づくり」を確立する事ができました。

その後、時代が変わり新企画公演などの買い公演が増えて、劇場自主制作の精神も見失われてしまった。

劇場自主制作の力(プロデューサーの力)が弱まれば、「芝居」はスタッフの物になり、役者の物になって行く・・・・・どんどんお客から遠ざかってしまっている。

6年前まで劇場プロデューサーとして御園座の芝居づくりに携わった私も・・・・まさかここまで激変するとは・・・・・

演劇評論家の中村義裕氏が、御自分のホームページ「演劇批評」にも同じようなご意見を書かれていた。

また中村氏は「7.プロデューサーという職業」と題して貴重な教示もされております。

閲覧は、演劇批評 検索・・・中村氏ホームページ → 芸を語る → 左欄「芸を語るその3「氷河期来る」1.入る芝居と入らない芝居の二極分化・・・・をクリックして下さい。(何故か? 7.プロデューサーという職業 欄をクリックしてもページが読めません)

年明け寒波が来ています。身体も心も寒さでカチカチ・・・・初めて毎日を自宅で過ごす私が「冬って、こんなに寒かった」と言えば、「夏にも同じように言ってたわよ」と返ってくる。 

職場は暖かかった、身体にも心にも・・・・・