第285話
お客様が「芝居」を観て一番よく口にする言葉は・・・・
「いい芝居だったねぇー」「楽しかったねぇー」「豪華だったねぇー」の褒め言葉。
「つまらなかったねぇー」「暗かったねぇー」「安っぽかったねぇー」の厳しい言葉。
お客様の芝居を観る「目」が肥えていればいるほど、劇場もお客様のメガネに叶うものを企画しようとし、相乗的に舞台の魅力を創り出して来た。
しかし、最近はお客様にも劇場にも変化が起きている。
私のブログ「御園座 芝居の話」にも書きましたが、昭和四十年代に商業演劇は新派・新国劇などの劇団芝居から、映画俳優・歌手を座長としたスター芝居へ大きく変わりました。
スター座長を支えたのは劇団で鍛えたスタッフ・役者の面々。
座長には当代の人気スター、芝居は劇団財産の名作を惜しげもなく提供し「いい芝居」を楽しく豪華に観せたのです。
それは劇団の芝居で目の肥えたお客様さえも、充分に満足させるものでした。
それから何十年、劇団の芝居を観ていたという客も殆んど居ません。
劇団に在籍した役者も随分と高齢になっている。
劇場の社員においても劇団芝居を観たことも無いスタッフばかりです。
お客様は受身一方の観劇に慣れてしまい、劇場も「客の声」が聞けず手探りで作品提供をしているような状態が続いている。
脚本の出来上がりを作家にお任せして、豪華俳優陣だけでは劇場に客は戻ってこないのでは・・・・・
ある座長と公演企画の話をしている時、座長が「劇場はこの企画が当たらなくても十二分の一が傷付くだけ、しかし役者は毎回が役者生命を掛けた勝負」と私を見据えられた。
私の心に芽生えた「慣れ」を見抜かれての言葉。
それ以後・・・・担当する座長には、自分の 芝居を観る「目」を信じて、座長にどうしても演じて貰いたい役を探し、脚本への提案をさせて頂いた。
座長もプロデューサーも真剣・・・良い時代でした。
お客様が「芝居」を観て一番よく口にする言葉は・・・・
「いい芝居だったねぇー」「楽しかったねぇー」「豪華だったねぇー」の褒め言葉。
「つまらなかったねぇー」「暗かったねぇー」「安っぽかったねぇー」の厳しい言葉。
お客様の芝居を観る「目」が肥えていればいるほど、劇場もお客様のメガネに叶うものを企画しようとし、相乗的に舞台の魅力を創り出して来た。
しかし、最近はお客様にも劇場にも変化が起きている。
私のブログ「御園座 芝居の話」にも書きましたが、昭和四十年代に商業演劇は新派・新国劇などの劇団芝居から、映画俳優・歌手を座長としたスター芝居へ大きく変わりました。
スター座長を支えたのは劇団で鍛えたスタッフ・役者の面々。
座長には当代の人気スター、芝居は劇団財産の名作を惜しげもなく提供し「いい芝居」を楽しく豪華に観せたのです。
それは劇団の芝居で目の肥えたお客様さえも、充分に満足させるものでした。
それから何十年、劇団の芝居を観ていたという客も殆んど居ません。
劇団に在籍した役者も随分と高齢になっている。
劇場の社員においても劇団芝居を観たことも無いスタッフばかりです。
お客様は受身一方の観劇に慣れてしまい、劇場も「客の声」が聞けず手探りで作品提供をしているような状態が続いている。
脚本の出来上がりを作家にお任せして、豪華俳優陣だけでは劇場に客は戻ってこないのでは・・・・・
ある座長と公演企画の話をしている時、座長が「劇場はこの企画が当たらなくても十二分の一が傷付くだけ、しかし役者は毎回が役者生命を掛けた勝負」と私を見据えられた。
私の心に芽生えた「慣れ」を見抜かれての言葉。
それ以後・・・・担当する座長には、自分の 芝居を観る「目」を信じて、座長にどうしても演じて貰いたい役を探し、脚本への提案をさせて頂いた。
座長もプロデューサーも真剣・・・良い時代でした。