第290話
平成14年7月、杉良太郎さんは座長勇退公演に代表作「拝領妻始末」「清水次郎長」を選び主演された。
その後は、杉良太郎プロデュース公演として昨年秋に山本譲二さん・山川豊さんと共演し話題作「闇の身代り地蔵」が上演されている。
今月は、なんば新歌舞伎座の最終公演。
重責を担う記念公演は杉さんの第二回プロデュース公演です。ご自身の代表作「拝領妻始末」の主人公・与五郎役を息子の山田純大さんに引き継がす・・・・大胆な試みがなされた。
楽屋を訪ねた私に、杉さんは「必死になって教えた・・・観てやってくれ」と言われる。
「四年前の勇退公演は、女房の抗癌治療が長引いて観劇ができませんでしたが、今回はPET検査も良く女房も客席で開演を待ってます」と伝えると・・・・
杉さん「いやいや、今回は純大が主役だから」と嬉しそうに答えられる。
教えも教えたり、習いも習ったり・・・・・与五郎役の純大さんの出来ばえに驚嘆しました。
又、相手役の小林綾子さん・そして、いち兄役の大川良太郎・弟役の橘大五郎さんら若手も頑張っている。
父親役に回った杉さん・母親役に回った葉山葉子さん、初役ですが何百回と出演された作品です。
お二人とも役どころは心憎いばかりに押さえていました。