カテゴリ: 芝居・俳優・劇評

第577話

昨日 観劇した劇団若獅子の「春秋 真田物語」二幕十場は、ゲストに狂言師の 和泉元彌 さん、元宝塚の えまおゆう さんらを迎え新国劇の芝居に新鮮な色合いを付けていました。 劇団代表として制作プロデュースから脚本手直し、主演・演出を手掛けた笠原章さんの奮闘と工夫が、随所に見られます。 真田幸村を家長とする家族、そして生死を共にした家来達へ、幸村の苦悩と愛情を解かり易く描いていく。 一方 徳川・豊臣の対決を大坂城での軍議に淀の方・秀頼・千姫を絡ませ、移り行く戦況を説明し観客を引き込んでいきます。 二幕物の芝居を見事に組上げていました。

今では大劇場の公演ですら芝居は一幕物が多く、歌謡ショーを付けても公演時間が短く収まるようにしている。 昔の「コマ劇場スタイル」が主流になってしまいました。

春秋 真田物語のカーテンコールでは役者の熱演に大きな拍手が贈られた。 主演の笠原章さんから来年は新国劇百年・劇団若獅子結成30周年の記念公演を行うと案内もありました。 よくぞここまで頑張られた・・・・新国劇・新派の名作は、劇界の財産です。 一幕物に端折らないで守り抜いて下さい。

それにしても客席に劇場関係者の姿が見られなかったのが寂しかったです。

イメージ 1

イメージ 2イメージ 3

第552話

御園座の舞台を昭和60年(1985)から座長として公演を続けてきた五木ひろしさんが、来年正月に中日劇場へ出演される。

御園座への出演は平成24年の「御園座さよなら公演」まで続き、公演回数27回の座長最多出演を記録しています。 御園座の看板公演が中日劇場に引き継がれていく・・・・・名古屋の五木ファンのためにもスター特別公演のトップとして引き続き頑張ってもらいたい。 

五木ひろしさんの御園座初出演は、美空ひばりさんが最後の御園座公演となった昭和60年です。まさにひばりさんから御園座の歌手公演を託されたようにも思えます。

その年の美空ひばり公演は8年ぶりの御園座公演、腰痛に悩まされながらの出演でした。 体調が万全でない中、舞台公演を決めたのは長谷川栄一会長(名古屋のパパ)との「もう一度、御園座へ出演する」との約束を守るためでした。

そして公演中に、もう一つの約束「東京のパパ(故・川口松太郎)と約束した明治座出演」を果たすため昭和62年の公演スケジュールを決めたのです。

その後、ひばりさんの体調は一進一退・・・・・気力だけで明治座6月公演を目指しました。 しかし公演一ヶ月前には、一人では立っていられないほど病状は悪化し、東宝と明治座が美空ひばりさんの休演を決断しました。

既に6月公演チケットは売切れ状態の超満員です。 一ヶ月全期間の払い戻しは避けたいと、東宝も明治座も代役公演を検討したそうですが・・・・・演歌の女王・美空ひばりさんの代役に誰も手を上げる役者はいません。 しかも一ヶ月後のスケジュールです。 空いている歌手も役者も見つかりません。

そんな明治座の苦境が、御園座にも伝わってきました。 御園座の5月公演は私がプロデュースした杉良太郎特別公演です。 初日が開いてホットしている私に、座長部屋から緊急の呼び出しがありました。 杉さんは「今月御園座で上演している公演の演目も、役者も、大道具も・・・・・全部そのまま6月の明治座へ持って行きたい、協力してくれ!!」と言ったのです。

今、思い出しても良くぞ乗り越えました。 座長も私も若かったから・・・・

写真は壊される御園座です。劇場西側の商店街から御園座会館地下へ入るスロープがあった部分、大きく取り壊されている。
イメージ 1

第549話

大衆演劇座長から東西の大劇場にて主演公演を成し遂げた俳優・松井誠さんが、日本伝統芸能振興会が取り組む「楽しく馴染みやすい歌舞伎の振興を目指す活動」に賛同し、歌舞伎役者・松井誠として明治村・呉服座(くれはざ)「グランド歌舞伎設立公演」に出演されている。

この公演のプロデューサー竹柴源一さんから企画の相談を受けていた事もあり、今日は家内とともに明治村散策と松井誠主演の歌舞伎公演を観劇してきました。

演目は、狂言を歌舞伎舞踊に仕立てた松羽目物の一つ「棒しばり」と江戸の四季を歌舞伎舞踊で綴った「歌舞伎春夏秋冬」です。

「棒しばり」では両手の自由を奪われた次郎冠者の大奮闘を、松井誠が見事に踊り切ります。 「歌舞伎春夏秋冬」は艶やかに、そして力強く・・・女形・立役と踊り尽くされる。  存分に楽しませて頂きました。

しかし、呉服座の舞台には所作板が敷いてなく、あまり強く踏み込めば膝を痛めてしまわないかと心配になってしまった。 長丁場です。 気をつけて頑張って下さい。

イメージ 1

第543話

御園座の演劇制作から離れて10年以上経つ私に、劇団若獅子から名鉄ホール公演6月29日(日)の公演案内が届きました。 今回は、昨年6月に上演した「大菩薩峠」の続編です。

「大菩薩峠」は小説家・中里介山が長編時代小説として、大正2年から昭和16年の長期にわたって新聞などに連載した41巻にのぼる未完の一大巨編です。

劇団若獅子の原点 劇団「新国劇」においても長編を区切って上演、辰巳柳太郎が主人公・机竜之介を演じ大評判となり再演・続演が繰り返されている。

新国劇代表作にあげらる「大菩薩峠」を辰巳柳太郎を生涯の師と仰ぐ劇団若獅子主宰者・笠原章さんが、昨年に引き続き「続 大菩薩峠」に挑戦される。

ご案内します。

イメージ 1

 

イメージ 1第510話

「錦秋の名古屋を飾る歌舞伎の祭典!」と謳われ、毎年10月に御園座で開催されていた「吉例顔見世興行」は、会場を金山の日本特殊陶業市民会館ビレッジホールにて行なわれると前々から報じられていましたが、会場の大きさ・楽屋施設など吉例顔見世の大一座を受け入れられるか心配していました。

今回、御園座から発表された座組み・演目は、やはり一回りコンパクトにまとめられている。 製作会社の松竹も歴史有る名古屋「吉例顔見世」のタイトルは松竹預かりとして、市民会館での公演は「錦秋名古屋 顔見世」に落ち着いたらしいです。

それにしても名古屋は暑い日が続いている。今日も雨雲は小雨を降らして通り過ぎてしまい、まるで蒸し風呂のような一日でした。

今年は梅雨をとばして真夏日となり、私のような高齢者は暑さに身体が馴染めず体調不良になってしまう。 少しは涼しくなる夜間だけはグッスリ寝たいとクーラーで寝室を冷やして寝るのだか、先日からパソコンが夜中になると、勝手にスリープ状態を解除して起動しウィーン ウィーンと唸っている。 夜中に起こされパソコンをシャットダウン。 しかし数日すると今度はシャトダウンしたにも関わらず夜中にまた起動し明るい画面に起こされる始末です。

まさに真夏の夜の怪談です。

インターネットで調べると困っている人も多いようです。 少し手こずりましたが、何んとか回復させることに成功しました。

↑このページのトップヘ